詐欺被害による借金生活からエイベックスのインターンで優秀者へと這い上がり、内定後はキャリア支援団体に属さずに、個人で独創的な就活イベントを複数開催。
今回お話を伺うのは、そんな、まるでジェットコースターのような大学生活を送ってきた横地陸さんだ。
高校時代まで抱えていた劣等感を糧に、大学では1年生から『ビジネス』を意識し人一倍動き、社会を見て来た横地さん。
春からは、独立系コンサルティングファームである『INTLOOP株式会社』で働く予定だ。
就活を振り返り、今、学生のみなさんに伝えたいこととは?
僕は大学受験で挫折を味わったので、その劣等感をリカバリーしたいという気持ちもあり、入学後は1年生からアクションを起こしていました。
とはいえども、本などでインプットした内容を周囲に開陳しながら
「ビジネスをしたい!」「起業をしたい!」
と常に思い続けていただけという、がっつりと『思想家』でした。
そんな思いを続けていた頃、1年生の1月くらいに友達が「俺の友達でビジネスしている人がいるから紹介してあげようか?」と言ってきて、僕は「これだ!」と思い即座にお会いすることにしました。
ところがその人がいわゆるマルチ商法をしている人でして・・・(笑)
まんまと引っかかり、お金をだまし取られたんです。
1年間くらいはずーっとお金を騙し取られ、その後も3回ほど別の詐欺関連のビジネスに手を出し続け、騙されました。
「バカだな横地」
と思うじゃないですか。
ただね、これが一度やるとかっぱえびせん以上に
「やめられないとまらない」んですよ。
詐欺で出会う奴が紹介する人間もヤバイ人間で、言わずもがな、その人が紹介するビジネスも詐欺まがい。
僕は一種の洗脳状態っぽくなってしまい、親や友達にも迷惑をかけて友達はいなくなりました。ただひたすら負のスパイラルにはまっていました。
そこから抜け出せたのは本当に偶然で、偶然会った人が長期インターンをしているのを知ってびっくりして。
そこで初めて気づきました、
「ビジネスって入会金無しできるんだ!」と(笑)
そんな当たり前のことすら、僕にとっては驚きだったのです。
そして、その子に紹介された人が長期インターン紹介会社に務めており、そこから就活を意識することができました。
今だから笑えますけど、当時は本当精神状態がやばかったです(笑)
以来、新規事業コンサルティングのベンチャー、農業ベンチャーなどの、いくつかのインターンを経験しました。
入会金無しで。←ここ重要です(笑)
色々理由はあるのですが、シンプルに
「音楽好きだからエイベックスを知りたい!」という気持ちと、
どれくらい自分の実力がついたのか知りたいと思ったことがきっかけです。
3年の冬に参加しました。
人事の方曰く、ESだけでも20000人くらいの応募があり、そこからワンデーに参加可能なのは200人ほど、さらにそこから当日のパフォーマンスを見られ、最終的に優秀な30人くらいが長期インターンに参加できる権利を得られます。
そして僕は、嬉しいことにワンデイの参加権利だけではなく、個人で優秀賞をもらい長期インターンに参加することができました。
この経験は、後の自分の就活に大きく影響しました。
というのは、今まで僕は周りも見ずにマルチ商法を行い、その遅れを取り戻すために読書やwebメディアでのインプットと、長期/短期問わずインターンでのアウトプットをひたすら重ねてきました。
この結果、気づいたら『20000/30=0.15%の存在』になっていたんです。
「あ、今まで1年生から失敗も含めて色々経験した結果、俺ってなんだかんだ0.15%の存在になっていたのね」と思えたのです。
「たかがインターン」と思う方もいるかもしれませんが、それでも自信に繋がったことは事実でした。
最初は考えましたが、「入社するか?」という観点で見ると思いとどまったんですよね。
言うまでもなく大好きな音楽業界の、大企業の環境を知ることができたのは新鮮でした。
しかし、企画の際にリサーチをしたり風土を知っていく中で、やっぱり自分は、「音楽に関しては『提供者』ではなく『消費者』でいたいな」と思ったんです。
ここは就活でも大切なポイントになると思うのですが
会社を選ぶときは、『消費者』としての目線だけではなく、『提供者』に回ることも考えていくといいと思います。
就活生は、人材/金融/食品をはじめとした『BtoC』の企業を多く見てしまいます。
今まで『消費者』として僕たちがよく目に触れて来ているから、自然とそうなってしまう。
でも、社会には『BtoB』の会社もたくさんあって、とても面白いですし、業界も幅広い。
今まで『消費者』としてよく触れて来たBtoCの会社以外にも、BtoBの会社も視野に入れることをすると、視野が広がると思います。
BtoBの業界はどうしても『消費者』の経験がなく志望動機や入社語のイメージを描きづらいと思いますが、
せっかく早期に就活を始めたのであれば、BtoCだけにとどまらず網羅的に企業をリサーチする価値はあるかと思います。
これは『自分のやりたいこと』と、『社会の需要が重なっている』ところをみることかと思います。
極端な例ですが、今「どうしてもお金の計算を手作業でやりたいんです!」という『自分のやりたいこと』があったとします。
しかし市場を見てみると、手作業より素早く正確なテクノロジーがいくつかの企業で導入されつつあります。
そうするといくらやりたいことだとしても、そもそも社会のニーズが減っていくのでは意味がなく、自分自身の市場価値を上げることは難しくなりますよね。
もちろん感情的に、自分のしたいことばかり主張することも大切だと思います。しかし今の社会が、何を必要としてるのかまで考えることも必要だと思います。
・・・と、いろいろと言ってきましたが(笑)
だからといって絶対に
「to Cじゃないから失敗だ」
「マーケットが縮小している業界だからいけない」
というわけではないんです。
というのも僕は、『選択』や『決断』よりも、『その後の努力』の方が大切だと思うのです。
多くの就活生を見ていると、どうも『業界選び』や『やりたい職種決め』の時点で『正解』を探しているように思うのですが、大切なのはその後の努力や行動によって『正解にしていく』というのが本来あるべき姿ではないかと思います。
選択をした理由をいかにロジカルに語るかではなく、選択をした先で、どんな努力をするのかが大切だと思います。
だって僕たち、まだ働いていないので、その業界で働くことについて実際はどうか分からないじゃないですか。
ディズニーランド行ったこと無い人が、
「スプラッシュマウンテンは嫌いだ!」
って言っても、どうしてそれが分かるの?ってなりますよね(笑)せいぜいインスタを見てリサーチしたくらいでしょう。
正直、ビジョンとか夢がないんですよね。
ただ関わっている人の『期待値』をひたすら超し続け、『他者貢献』と『自己成長』をリンクさせて、その先に何か見えるものがあればいいかな、と。
偉そうなことを言っているようになりますが、ビジネスは相手が求めているものの期待を越さない限り、次に繋がらないと思うのです。
まだまだ未熟ですが、僕自身もイベント開催をする際、期待値を越すことだけは意識し続けています。
そして、これからもイベントであろうがコンサルであろうが意識し続けていきたいです。
それが僕のモチベーションでもあるので。
言い換えると、常に「サプライズ」を相手に与えていきたいと思っています。
・・・・・
春。
今年も就職活動が解禁した。
街には、若葉マークの就活生が溢れる。
右も左も分からない中、社会の波に押し流され、何が正しいの分からなくなる人も多いだろう。
そんなとき、横地さんのメッセージは一つの指針になるはずだ。
「正解」の選択なんて、実はないのかもしれない。
ココロが一番動いたものを、自らの意思で選んでみる。
その後は、自分の努力次第でどうにだってなる。
みなさんのその選択が、10年後、20年後に振り返ったとき
“最高の正解だった”と思えていますように。
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