高橋和希さん
明治大学3年生 学部学科。学生団体applim代表。
福島県の高等専門学校(通称高専)卒業後、明治大学の情報コミュニケーション学部に転入。高専でのCM分析の研究から広告の面白さに気づき、大学に入学後より一層広告やアイデアの世界にのめり込む。そんな高橋君がマーケティングコンテストを行う学生団体applimに出会い、イベント運営、インターンでの営業経験、代表就任などの彼の在学中に学んだエピソードを伺った。
── まずapplimの活動内容について教えてください!
高橋さん:applimは新しいマーケティング手法を学べる講演や、マーケティングコンテストを開くことで、未来のアイデアマン・新しい価値を残せる人材を生み出す、学生向きのイベントを行っております。
10人ほどのメンバーで、300~400人規模のマーケティングコンテストを行っているので結構大変です(笑)
学生の集客はもちろん、自らコンテスト審査員のオファーに出向き、スポンサー企業様からの協賛を頂きながら、イベントセッティング・運営を行っており、過去には電通や博報堂等の大手広告代理店の方々から、カンヌライオンズで受賞されている方々にもご協力いただいております。
── 学生でそんなに豪華なゲストをお呼びして、大規模なイベントを開催するなんてすごいですね!元から高橋さんはすごかったんですか?
全くですよ!むしろ仕事できない人間でした。というか、今もそんなすごくないですよ…基本劣等感から始まっている人間なんで。(笑)
applimに入った当時は本当に仕事ができなくて、自分の役割は組織が暗い雰囲気の時におちゃらけてみんなを盛り上げるくらいでした。(笑)逆にその姿勢がメンバーに不快感を与えてしまい、現在の副代表に「自分たちの代になった際には、あなただけは代表を任せられない」とバッサリ言われたくらいですし。(苦笑)
ただ、先輩たちが抜けて自分たちの代になった時から意識は変わりました。
毎年10人ほど運営メンバーがいるのですが、僕たちの代には本格的に活動を行えるメンバーが2人しかいなかったんです…
つまり僕が戦力にならないと潰れてしまうんですよね。(笑)
そのため、とにかく組織を存続させるためにはまず営業で企業にスポンサーになってもらわなければ始まらないと思い、スタートアップ企業で営業の修行を行いました。
具体的に行っていた業務はテレアポ営業です。電話でお客様の要望を聞きながら、商品の売り込みを行っていました。
当時はいろいろ研修などで教えてもらえるのかな~と思っていたんですが、考えが甘く始めて2日目でいきなり電話での営業を任せられました。
経験がない中、突然会社の看板を背負ってお客様に営業を行うという、半端ない責任を負うことになり、本当に怖かったです。(笑)
平均して1日に50件くらい電話をかけました。
毎日社員さんから売り上げに対して厳しいお言葉を頂き、今思えばかなり精神的にハードな業務をしていましたね。
ただし、ここですぐに挫けたらapplimに生かすことができないと、歯を食いしばりながら先輩と同じ業務を行い、できる人の真似を徹底しました。
この経験はすごく役に立っています。applimとして企業などに営業する時、話し方のトーンや間の取り方、駆け引きに気を付けるようになって、
今回のコンテストでは、自分がお呼びしたい審査員の方々をほとんど全員お呼びする事ができました。今の自分がいるのもインターンのおかげだと思います。
── すごいですね!そうして代表になることができたんですね!
正直、はじめは代表になろうとは思っていなかったんですよ。
というのも、先ほども伝えたように本格的に動けるメンバーは2人しかいなかったので、役割は特に決めず、お互い代表という言葉をあまり出さず、譲り合いながら進めてきました。
はじめはapplimにとって何が必要か、価値観はうまく共有できていたので、対立することはありませんでした。
ただしイベント開催への雲行きが怪しくなってきた際に、本気で組織を背負う覚悟を持った人がいないとヤバい、と思い代表決めを行いました。
── そこで高橋さんが代表はすんなり決まったのですか?
僕にとって代表に立候補するにはかなり勇気が必要でした。applimが好きで、もっと良くしたいという想いはあったのですが、自信が全然無かったんです。
というのも歴代のapplimの代表の方は人脈がある方がほとんどだったのに対し、福島から上京してきたばかりの自分は人脈なんてほとんどなく、自分が代表で本当に結果を出せるのかと不安ばかりでした。
また現副代表に昔のこともあったので本当に認めてもらえるんだろうかと不安でした。
しかし相談に乗ってくださった元代表の久野さんから、
「最初から完璧な人間が代表になるのではなく、代表になってからみんな成長するんだ。だから”能力”ではなく、代表をやりたいかやりたくないかの”想い”で立候補するか決めなさい。」とお言葉を頂いた事が大きなきっかけになりました。
── インターンでの活動や、applimとしての営業、代表就任と様々な事に挑戦されていますが、高橋さん自身、昨年からの自分の行動をどのように考えていますか?
失敗を恐れず、常にアプローチし続けられているなと思います。まさに”挑戦”の連続です。
先述したように僕はもとから仕事が出来たり、ポテンシャルがあるタイプではなかったので、何か行動に移す時は失敗が怖くて仕方ありませんでした。昔から常に怖がり、仕事が本当にできない人間でした。うまく営業できず端っこでシュンとしている事がほとんどだったのです。
それが代表になってからは、団体活動の全責任が自分にかかってくるので、今までとは比べ物にならないリスクを背負う事になりました。
しかし怖がって何もしないのではダメだと考えるようになりました。不安に思うならそれ以上の努力や行動の量で解消しなければならない、地道な行動を重んじるようになったのです。
例えば、先ほども言いましたが僕は人脈に自信がありません。そのため簡単には繋がらない企業がほとんどです。協賛を増やすための営業の際は、企業ホームページのお問合せメールを送る事から始めています。
先日、今年度カンヌライオンズで審査員を務められたお2方を、applimのイベントにお呼びする事が決まったのですが、これも地道にやった成果だと思います。
自発的に講演会に出席し、講演終了後、直接審査員の方のもとに行って、興味を持っていただけるようクリティカルな質問をしました。
講演会に行く前から地道に審査員の方について調べ、また講演会を聞きながら頭の中で死ぬほど質問を考えていました。結果、こちらの熱意を伝える事ができ、イベントへの参加を承諾してくださったのです。
やっておこうではなく、やるしかない意識を持つようにしています。
このように意識をもつようになったのも、今の代表という立場があるからだと思います。また仕事ができない自分を理解していたからでもあると思います。applimでの活動やインターンを通して自分の力量を知る事ができました。
── この経験を通して得た事はなんですか?
代表になってから様々な”挑戦”の結果、人から認めてもらえることが増えたと思います。
とにかく企画書を何度も書き直し、営業を重ねっていった結果、今年は10社の企業様にご協賛いただけました。(あくまでスタッフの力があってこそですが。)
applimのコンテストイベントにお呼びしたいあらゆる業界の審査員の方もお呼びする事に成功しました。
また、これは営業面ではなく自分自身の事ですが、アピールの方法の試行錯誤を続けた結果、最近では、第一志望のインターン先に参加させて頂くことも出来ました。個人としても少しずつ結果を残せるようになれたってことだと思います。
こういった”結果”を踏まえ、これからも自分は失敗を恐れずアプローチを続ける人間でありたいと思います。
やはり今でもリスクなどを考えると恐怖を感じる事もありますが、この恐怖心を超えるために自分が今何をすべきなのか、やらなければならない事を常に考えている環境は、純粋に心地が良いです。
やらなければならない状況にあえて飛び込み、すべき事の数を増やしていけば、まだまだ自分は成長できると思います。
── この経験を踏まえて自分自身これからどうなっていこうと考えていますか?
これから自分がやりたい事は、アイデアを日頃から考え続ける人々を増やしたいと思っています。
なぜならアイデアを考えたりクリエイティブな考えを持つ能動的な人々が増えれば、人が暮らす社会をもっと豊かに出来ると感じているからです。
applimは、そんな人材を育成する学校のような場でありたいと考えていますし、それを実現する仕組みを作っていきたいです。
── 大学1,2年生に向けてメッセージをお願いします!!
とにかくやってみてください。そしてやってみて合わなかったら、捨ててもいいんです。例えばアルバイトが自分に合っていないと感じたなら、他に探してみるのも一つの手だと思います。
ただそこで、何が自分に合わなかったのかを理解して、本当に自分のやりたい事を考え続けてください。そしてまた行動に移してみてください。これは大学1、2年生の内に出来ると、本当に為になると思います。
そして、もし今やりたい事がアイデアを考える事であったり、イベント企画やWEB制作に携わる事であれば、是非applimに遊びに来てください。
―――――高橋さん、ありがとうございました!
学生団体applimは「新しいマーケティング手法に触れ、新しいマーケティング手法を創る」事をコンセプトに、活動されている団体です。
講演会・WS、ビジネスコンテストを多く主催し、企業の方と学生が一緒にアイデアを考える環境を提供しています!
是非、アイデアマンになりたい、いかした意見を言えるようになりたい方、イベントに参加されてみてはいかがでしょうか。以下のHPからapplimさんの熱い思いに触れてください!
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