あえて縮小する業界に進む道理由は“いいお父さんになるため”??
永遠の別れを経験し考えた「理想の家族」
「インターン生で、すごいやつがいる」
今回その声を聞きつけて、インタビューを行うのは村松晃輔くん。
その語り口から、ロジカルな思考の持ち主、そして愚直に目標にコミットする泥臭さがひしひしと伝わってきた。
そんな彼が目指すのは“良いお父さんになること”。想いの裏には、父親との別れという大きな経験があった。
果たして、理想の家族、そして理想のお父さん像とはいったい・・・?
自分が知らなかった父親の素顔を、亡くなったことで初めて知った
家族、特に父親のことが、ずっと好きじゃなかった。医者をしていたんだけど、本当に頑固で、口数も少なくて、遊びに行った記憶なんて全然なくて。
仕事についても「つまんない」とかネガティブな発言をするだけで、カッコよく働いているのを見たことがなかった。
俺にとっては全然理想の父親じゃなかった。
でも、その父親が、今年の2月に亡くなってしまったんだよね。
お葬式の場で、父親が担当していた患者さんと話す機会があったんだけど
その患者さんから、父親が生前「うちの息子は医者にはならないらしくて・・・」とか、俺の将来についての話をすることもあった、ってことを聞いて。
そのとき初めて、
自分の知らない所で、自分のこと意外と気にかけてくれてたんだな、って気づかされた。
自分が知らなかった父親の素顔を、亡くなったことで初めて知った。弱みや本音を隠していた部分もあったんだろうなって。
それをもっと早くに知ることができていれば、どれだけ良かっただろうかと思うときもあって・・・
それが転機になって、「家族」と「働くこと」について関わっていこうと決めた。
より多くの家族が、理想の形になれるような社会作りをしていくことが今の目標。
「家族」と「働き方」って密接に関係していると思って。例えば、働く場所を制限されなくなったら、家族で住む場所も制限されなくなるよね。
今後もっともっと変化して行くだろう「働き方」っていうアプローチから、理想の家族像を築けるような社会作りに関わって行きたい。
大きいことを成し遂げようと思ったら、自分に合わないことをしていくのも必要
BeyondCafeはけっこうウェットな人が多いから、どちらかというとドライな自分とは、タイプが違うなと思ってた。
でも、これから働く内定先のパーソルテンプスタッフもウェットな人が多いから、そんなチームの中ではどう伝えればチームがうまくいくか?っていう、コミュニケーションについて学べて良い練習になるな〜と思ってる。
パーソルテンプスタッフは、今後縮小されるといわれる「派遣」の人材紹介を扱う会社。
人材っていう領域から、理想の家族像を実現させることしたいと思っていて。
縮小する業界だと、事業の多角化がどんどん進むはずだから、自分ができることのチャンスが増えるかなと思ってあえてこの業種に飛び込むことにした!
大きいことを成し遂げようと思ったら、自分と近い価値観の人だけでは与えられる影響が小さい。
自分に合わないことをするのも、ときには必要なことかなと思う。
家族がうまくいくために重要なのは、“価値観”と“許せないこと”の共有
良い家族関係を築くために共通して大切なのは、夫婦の目指す方向性を共有していることだと思う。
方向性っていうのは「住む場所」や「お金」、「子どもへの教育」とか家族によっていろいろあるだろうし、それぞれ違っていると思う。
だから、理想状態も夫婦ごとに違っていて当たり前だよね。
それからあと、許容できないものを共有しておくことも大切なのかなと思った。
今、実はベビーシッターをしていていろんな家族を見るんだけど、全てがうまくいっている家族はないなって感じるんだ。どこかしらうまくいかない部分が必ずあるんだよね。でも、そこがお互いに許せる範囲だったらいいと思う。だから「○○だけは許せない」っていう、譲れない部分を共有しておくことが大切だと思うな。
4つあるかな〜って思う!
1、経済的な余裕
2、子どもにより沢山の選択肢を与えて、選ばせる度量
3、夫婦仲の良さ
4、かっこよく働く姿
この4つが、俺の考える理想の父親像の条件。
特に2については、ベビーシッターをする中で大切だなって気づいて。例えば、今見ている子に面白い子がいて!絵がすごく好きな子なんだけど、地域の野球少年団のパンフレットとダリのパンフレット両方を机に置いておくと、自発的にダリの展覧会のパンフレットを選んで持ってくる。小学生で、ダリって・・・(笑)
決めること自体は子どもの自主性に任せて、選択肢をできるだけ多く目の前に用意してあげられるようになりたいな。
どんな家族に生まれても、環境に左右されないで子どもが幸せになるように
その他にも、父親が亡くなってから気づかされたことがあって。
それは、自分は「経済」の面や「教育」の面ではとても恵まれていたってこと。
この2つは父親が生前に残してくれた本当に大きな価値あるものだと思う。
だからこそ、生まれてきた環境や家族に左右されることなく、誰もが幸せに過ごせるような社会作りをしてきいきたい。そのためにも、少しでも多くの家族が「理想の家族像」に近づけるような社会を作っていきたい。そうやって、社会のために頑張って働くことを通して、自分自身もカッコ良い父親になれるといいな。
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今、あなたにとって一番身近にいる人は誰?友人、恋人、後輩、先輩・・・?その中でもひと際大きな意味を持つ「家族」。
一番近いからこそ、はっきりと見えない。「家族」を巡る葛藤や課題を感じる人は少なくないのでは。本音で語り合い、ときに弱音を吐いて、丸裸になって弱みをみせて、それでもいつでも無条件に包み込んでくれる。そんな、あたたかくて大きくて、安心できる“巣”となる理想の家族。大切な人を失う体験をしたからこそ、その大切さに気づいた村松くん。きっと彼の今後の活動が、理想の家族を日本中に、世界中に溢れさせてくれるだろう。