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「知的好奇心に優しい社会を創る」 留学、起業、本の出版と、知的好奇心を満たすための環境作りに熱中する中川瑛くんとは

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2017/12/18
インタビュー


中川瑛さん
プロフィール:中央大学5年生。法/政治哲学を専攻。
Oxford大で政治哲学を学び、トビタテ留学一期生として、世界トップレベル大学コースで仏政治学院に留学。未来のトビタテ留学生を輩出するためのトビタテcafé(留学相談会)の運営や、学びたいことがあるのに、学び方がわからなくて困っている人たちを助ける「知の見取り図(http://mitorizu.jp)」と呼ばれるプロジェクトを立ち上げるなど、全国各地で精力的に活動を行っており、2016年8月に株式会社ちえものを設立。

トビタテ留学JAPANの1期生としてヨーロッパに留学した中川さん。幼い頃から知的好奇心に溢れ、哲学や政治学を学び、勉学に励んできた彼。
今回彼が運営する、学生の学びをサポートする事業「知の見取り図」についてインタビューさせて頂いた。中川さんにとって「決断」、「挑戦」、「結果」はどのようなものだったのだろうか?

1.博士と呼ばれた幼少期、知的好奇心が満たされない…

── 大学生で留学して起業までしちゃう学生は中々いないと思うのですが、幼少期からなんでもこなせる活発なお子さんだったのですか?

中川さん:事象だけを並べるとすごく聞こえますが、ぼく自身は全然大したことないですよ。ぼくの幼少期はあだ名が「博士」で(笑)とにかく本を読むことが大好きでした。
北海道の片田舎で生まれ育ったのですが、とにかく知ることが大好きで、毎日学校の図書館に篭るほど知的好奇心が旺盛でした。本が友達ですね。(笑)

ただ、やはり地方なので本の数も限られていて、すぐに読み切ってしまったんです。近くに本屋さんも無かったので、たくさんのことを知りたいのにその環境がない。悶々とした中高生活を送っていました。
また、首都圏の大学に入れば解決できると思い受験勉強を頑張るのですが、参考書もほとんど売っていないんです。独学で本当にこの勉強方法は正しいのか疑問を抱きながら受験勉強を行いました。

── 東京の大学に来てどうでしたか。

本の多さには感動しましたが、正直あれ?って感じでした。そもそも勉強熱心な人がいない。
先輩も楽に単位をとれる授業を教えてくるけれど、面白い授業を教えてくれない。授業も期待していたようなものではなかったです。
結局授業も行かず、ひたすら自分の興味がある分野を1人で勉強していました。経済・政治・法律・心理学・社会学・福祉・哲学。本棚の左上から右下まで興味がありそうな物を片っ端から選んで勉強しました。そうすると本によって難易度が全然ちがうんですよ。

最初に難しい本を読むと理解するまでに時間がかかってしまい効率が悪いし、結構読み進めてから簡単な本に当たっても時間の無駄。そういったことを何度か経験するうちに「各分野の専門家達が、最初に読むべき本を教えてくれたら良いのに・・・」と思ったのです。
この問題意識が後の「知の見取り図」サービスの基盤となるものでした。



2.ホンモノとの出会い 閃いたアイデア「知の見取り図」

── なるほど!そこから実際「知の見取り図」のサービス化に踏み切ったきっかけは何だったのでしょうか!

トビタテ留学JAPANの制度を利用してフランスに1年留学していた際に、毎日フランス語で会話しすぎて、フランス語に疲れちゃった時があったんです。(笑)
その際に「日本語喋りにいーこう!」と知人の紹介でウィーン住みのドイツオペラの博士課程の女性のもとを訪ねたんです。

ウィーンの街並みについて、オペラの知識と織り交ぜた話を聞かせてもらったのですが、全然おっしゃっている事が分からなかったんですよ。日本語で会話しているのに。(笑)
会話の内容が専門的すぎて、話についていけず、僕にもっとオペラに関する知識があれば、この女性との会話も、もっと有意義にできたのだろうなと思ったのです! でもオペラってどうやって勉強するんだ? と壁にぶつかりました。

この悔しい思い出と、大学の図書館での問題意識が相まって、「知的ワクワクと効率性を嚙合わせる」事を考えつきました。学問的な学びを深めたい人達に効率的に学べる環境を提供すれば、さらなる学びの可能性を広げられる可能性を見出したのです。
あらゆる学問領域の、”ホンモノ”の研究者の卵を集めて、「学びたいことがあるけど何から手をつけていいかわからない」そういった人に向けた、学習の手引書を作るサービス「知の見取り図」を作ろうと考えました。



3.想いをカタチに 行動の源泉は常にワクワク!

早速、自分で5分程度の「知の見取り図」サービスの宣伝動画を撮って、研究者の卵を集める事から始めました。
幼少期は本と友達だったことから、察しがつくと思うのですが、コミュ力は無い方で。(笑)周りを巻き込む経験なんてほとんどありませんでした。

でもその時は「これをやりたい!」という思いが強く、すぐにトビタテのコミュニティを使ってサービスの宣伝動画を拡散しました。恥ずかしさより、これが出来た時のワクワクの方が大きかったんです。
そうして宣伝していると全国の博士課程・修士課程の人と繋がって、最終的に30人ほどの協力者が集まりました。
サービスを作るにあたっても、僕自身がエンジニアではないのでエンジニアを探すところから始めました。知人からの紹介を何度も重ねて、四苦八苦してエンジニアを見つけ、帰国するまでの数か月でなんとか形を作ることができました。
更に帰国してからは、参加者を紹介制で集いリアルに学ぶことができる「知の見取り図」サロンも4回ほど、東京でやりました!

── 素晴らしいですね!実際にサロンをやってみていかがでしたか?

今まで学問に対して熱中している人に出会うことが少なかったので、本当に楽しい時間でした。ぞれぞれが学ぶ専門分野に対して熱く語りあい、自分の知らない世界をたくさん知ることが出来たので、僕が一番得をしていました。(笑)

ただし数回サロンを行ったあとに疑問が生まれたんです。これでいいんだろうかと。「知の見取り図サロン」は、当初は専門的な知識を身につけている人だけが参加できるサロンで、かなり限定されたものだったんです。既に研究を進めているような人達同士の知的な交流ですね。

しかし、そもそもこれらを始めた動機は、過去の自分が抱えていた「知的好奇心があるのに環境的に満たされない」という課題でした。
それに気付いてしまい、東京だけではなくてむしろ全国でこのサロンを高校生や社会人にも開けたものとして開催しなくてはならないと改めて感じたのです。
そこでいままで閉鎖的だったものを、より多くの人に伝えるために、ターゲットを変え、サロンを全国展開しようと試みました。

正直かなり大きな”挑戦”でした。なにしろこれまで友達が少なく、リーダーシップもあるとは思えなかった自分が、いきなり全国規模で何かを行おうとしているのですから。でもふと周りを見渡すと、自分の想いに共感してくれる友人がたくさんいて、自分には不可能な事はでないと思えたのです。
そうして今日までに関西、北陸、東海でサロンをやったのですが、毎回20~60名以上の人数が集まりました。また3地域とも「もう一度やりたい!」と現地の協力者が自分たちで第二回を企画するようになりました。
最初こそ僕が動かすとしても、それ以降は徐々に地域コミュニティが自発的に開催し始める仕組みを作りたいと考えていたので、この出来事は本当に嬉しかったです!

この挑戦を通して、誰にも負けないネットワークができたと思います!自分が知らない分野の研究者の卵の方とたくさん繋がれた事は、これからの活動をするにあたって大きな財産になっていくと思います!



4.起業、本の出版 更なる挑戦へ

── 先日起業した瑛さんですが、今後の挑戦を教えて下さい!

もっともっと多くの人の知的好奇心を満たしたい。そう思い8月末に「知的好奇心に優しい社会を創る」を理念に掲げた株式会社ちえものを設立しました。
現在行っている「知の見取り図」はもちろん、その他に3つの事業を行っています。

その一つが「ガク×キャリ」という事業ですが、これは学問を頑張った経験をもつ学生に向けて、自分が学んだことが仕事にどう活用できるのかを考えるイベントです。
大学生活を通して、何か打ち込むものがあったと面接やエントリーシートでアピールするときに、サークル・アルバイト・インターンと並んで「学問」という分野があってもいいと僕は考えています。学問が実際にどう社会で活用できるのか各々がしっかり言葉で表現できるようになれば、学問を頑張ったことは十分就活でアピールできるのです。

また、未来のトビタテ生を生み出すための相談会「トビタテcafé」で使っていた考え方「物語理論」も、来年二月に書籍として発売出来ることが決まりました。
友達が少ないことに悩んでいる少年が主人公のドラマ、オチがわかりますよね? 友達が出来るんです。僕は人生もこれに近いと思っています。なにか足りないものを抱えていて、それを満たすことでなりたい自分になれる。ということは、その足りない部分を自覚した上で、それを満たせるようなエピソードを自分で作ればなりたい自分になれるのではないか? そのエピソードが留学なら、行くしかない。「将来はこうなりたいけど、これが足りないから、留学でそれを身につけてきます」と話せるようになります。

そんな風に人生を物語のように捉える考え方、物語理論を中央経済社さんから「面接官が聞いているのはあなたの経験ではなく物語です(仮題)」として出版予定です。
合わせて本の内容をリアルで行う「物語cafe」も東京で定期的に開催するので、是非興味がある方はお越しください。

――――――中川さん、ありがとうございました!

この記事でも紹介しました、中川さんの運営する「ガク×キャリ」や「物語cafe」は、BEYOND CAFEで会員限定で定期的に開催されます。
中川さんの熱い思いのつまった素敵なイベントですので、是非お気軽にCAFEにいらして下さい!

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