青木優さん
プロフィール:お茶の水女子大学生活科学部4年生。トビタテ留学JAPANでフィンランド・台湾に留学。
manmaという「いまの女子大生の手で、安心して母になれる、社会をつくる」をコンセプトにした任意団体に所属し、日本での女性キャリアの課題解決に取り組んでいる。
トビタテ留学JAPANでフィンランド・台湾に留学し、海外での女性のライフキャリアを取り巻く環境を学んだ青木さん。そこから彼女が日本でやりたい事とは?女性キャリアの現状に目を向け、解決に動くパワフルな彼女に、これまでの「決断」、「挑戦」そして「結果」について話を伺った。
── 普段からアグレッシブに活動されているイメージがある青木さんですが、普段はどのような活動をなされているのですか??
好奇心旺盛で何事にもすぐに夢中になるタイプでした。母親は私が興味を持ちそうな選択肢をいくつも与えてくれて、やりたいと思ったら即行動みたいな。(笑)
おかげで週5で習い事をやるような幼少期を過ごしていました。
またかっこいいと思うことをするのが好きで、中学校選びも「ここで勉強してる自分かっこいいかも」という理由で選んだんです。(笑)かっこいいと思われてるレールにこだわっていましたね。
── 大学受験もそうでした?
大学受験も例外なくその思いで決めました。もともと飛行機に興味があって、漠然と「東大 航空」と調べたら、航空を取り扱う学部が出てきて、ここに入るしかないと即決しました。
東大入るために高校3年間、学校行事も真面目に参加しながら、頑張って勉強していたんですけど、テストの点数があと3点届かずに残念な結果になってしまったんですね。だけどその後すぐに、お茶大合格決まって、親の金銭的な面の負担や様々な事も考えて、お茶大に進学しようと決めました。
お茶大に入学したんですけど、やはり航空系の勉強ができない現実に直面すると、虚無感に襲われたんです。まさに抜け殻ですね。学習面の目標ができないまま、大学1年生の間はテニスサークルに没頭していました。
それと同時に、学校のカリキュラムがグローバルリーダー育成を売りにしていたので、キャリア教育の授業をたくさん取っていました。昔から私「キャリアウーマンになりそう!」て皆から言われていたので、キャリア教育については関心があったんです。
── 授業を受けてみて何か変わりましたか?
もともと高校の時から、キャリアについて考える時に、結婚と子育ては仕事する上で障害だなと考えていて、結婚も子育てもしたくないと思っていたんです。(笑)
ですが、大学のキャリア授業と、加えて2年生の夏に参加した「政策立案コンテスト」を通して、キャリアに対してネガティブなイメージを持っているのは私だけじゃないと分かって、こういった一人一人が女性キャリアについて課題意識を持って、取り組める事ができれば、世界は変わるかもしれないと希望が持てました。
同時に留学の事も考えていました。中学校時代にESSで、海外経験の豊富な子たちと大勢関わってきて、ずっと海外に対して漠然とした憧れがあったので、大学に入学した暁には必ず留学しようと決めていたんです。
── トビタテ留学JAPANはどこで知りましたか??
「留学」のワードにはアンテナはっていたので、トビタテ留学JAPANのことは自分で調べて知っていました。
丁度女性キャリアについて興味が出てきた時期だったので、トビタテ留学JAPAN使って女性キャリア意識について実態調査するのも良いなぁと考えていました!
私はお茶大の理系の学部に所属していたので、留学は基本的にはカリキュラムとして取り入れられてなくて、学科の単位には認定されません。なのでもう1年大学生生活が長くなる事は分かっていたんですけど、関係の無い事でも面白いと思う事をやってみようと考えられるようになって、留学する事を”決断”しました。
海外で意識調査するなら、日本でも女性キャリアの意識について調査したいなと思って、どこか活動できる場所はないか探していました。その時、そういえばSNSに中高時代の同級生が、同級生自身が立ち上げた事業の活動内容をアップしていた事思い出して、興味があって連絡とりました。
── それがmanmaだったのですね。
そうです。そのmanma代表の同級生とご飯に行った際、仕事が頑張れなくなるなら、結婚も子育てもしたくないと、ずっと悩んできた事を相談しました。
ですが同級生に「それは実際の母親事情を自分の母親以外知らないからじゃない?」と言われて、確かに!と思いました。まだ自分の知らないことがある事を改めて知り、ならばこの目で見てみたいと思ったのです。
この出来事がきっかけで、manmaの活動に興味が沸き、留学前の半年間manmaにお世話になりました。実際にお会いした母親の方から多くの価値観を教わる事ができました。
例えば「仕事の息抜きが子育てで、子育ての息抜きが仕事」など、初めて聞く意見が多くありました。多くの働くママの話を聞くことができ、自分のキャリアに対する不安は徐々に解消されていきました。
── manmaで半年活動した後、留学はどこに行きましたか?
留学は3年生の夏から、フィンランドへ5ヶ月と台湾へ5ヶ月行きました。
2か国とも女性のフルタイムワークは当たり前、個々の選択を尊重する国家で、女性が結婚も子育てもしながら、無理なく働ける社会が形成されていました。
そこに住む人々の将来に対する不安は薄く、尊重・理解にあふれた社会風潮が女性の心理面を支えているのだなと感じ、感銘を受けました。そのため、日本でも結婚・子育てに奮闘する働く女性が尊重される社会を作れれば、素敵だなと考えるようになりました。
── 青木さんにとって”挑戦”は何でしたか?
興味のある活動、学外の活動など、おもしろそうと思ったら、すぐに行動に移そうとしたのが私にとっての”挑戦”でした。行動してみた”結果”、新たな興味が生まれて、行動に移すの繰り返しで、常に行動していました。
留学もその挑戦の一つだったのですが、この経験から、日本にもフィンランドと台湾のような社会を作りたいと思うようになりました。そのために具体的に何をすべきなのか、ずっと考えていたのですが、最終的に改善すべきは、初等教育だと気付きました。
日本での集団行動が絶対とされる風潮、例えば学校行事は全員やって当然、参加する人が正しいと枠組みされた世界では、人と人の認め合いは難しいと思います。フィンランド国家の教育方針の「個を尊重する」教育が日本でもできれば、人には人の生き方があるという風潮が生まれて、日本の女性キャリアの問題は改善されると思うんです。
── これからどのように活動していきますか?
就職するつもりでいたのでかなり悩んだのですが、結局就職するのでは無く、起業しようと考えています。すべての女性がライフキャリアを柔軟に描けるような社会づくりを目指しています。
そのためにまずは、いろいろと挑戦しながら前に進んでいる大学生と、現役の小学生たちを交流させて、小学生が多様な選択肢を知り、将来に対して希望が抱けるようにしたいです。
インタビュー冒頭にも言ったように、私自身、今までずっと周りから見て立派だ、かっこいいと思われるレールを歩んできており、それを良しとしてきました。
ですが、manmaや留学を通して、敷かれたレールではない、素直に自分がやりたい!と思ったことを選択することも素敵じゃないかと考えられるようになりました。今度は自分が、かっこいいレールを敷く側になりたいのです。自分の気持ちに正直になって素直な選択を取ったことで新たな夢が抱けたので、このこの気持ちを大事にして起業という道に進み、自分が本当に望む社会づくりに挑戦していきたいです。
―――――青木さんありがとうございました!
青木さんが所属しているmanmaは、「いまの女子大生の手で、安心して母になれる社会をつくる」事を目標に掲げ、「家族留学」という実際に子育てされているご家庭に、プレママ・プレパパ世代の大学生を1日訪問させて、子育て生活に対してのイメージをポジティブなものにする活動を行っています。
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