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「中小企業の営業がやりたい!」強い思いでIBMに入社し、英国でコンサルティングファームを立ち上げた副島一也さんの営業ノウハウ術 #トップセミナーvol.16

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2018/02/02
イベントレポート

1月17日にBEYOND CAFEで開催されたトップセミナー。毎回著名な経営者を招き、就活生にとって役立つ情報を届けたり、気になる質問を直接ぶつけたりできる機会をつくっています。

第16回目の開催となる今回のゲストは、IBMで営業トップの成績を修めた後、イギリスで起業された経験を持つ副島一也さん。帰国後はニュートン・コンサルティングを設立し、現在も多くの起業へのコンサルティング、経営システムの提供をされています。

今回はそんな副島さん自身の経験を通して、社会で活躍する人に必要なことをお話いただきました。実際の「営業」という仕事やトップ成績を納めるに至った営業ノウハウや考え方をレポートします。

▲ニュートン・コンサルティング代表取締役社長の副島一也さん

 

「とにかく1番になりたい」強い気持ちが努力に繋がる

副島さんには、どうしてもやりたい仕事がありました。それが「営業」です。競争の激しい環境で自身の力を発揮したいという思いから、先輩が語るIBMの面白さに興味を持ち志望。面接で熱弁した「中小企業の営業がやりたい!」という思いが伝わり、見事希望通りの配属となりました。

1911年に設立されたIBMは、コンピューター業界では老舗の世界的企業です。そんな企業に入社した副島さん、正式に営業部に配属されたその瞬間から億単位のノルマが与えられたそうです。「名刺を100枚もらうまで会社に戻ってくるな」という環境で、あらゆる会社を回り続ける日々。

悔しい思いをたくさんしながらも頑張れたのは、「とにかく1番になりたい」というぶれない気持ちがあったから。そしてもう一つ、子供の頃の経験も影響しているといいます。

「実家が町工場で下請けの仕事が多く、その当時の苦労をよく覚えていました。下請けの会社は性質上、発注を受けている会社の経営が危うくなるとしわ寄せがくるんです。しわ寄せを作るのは東京の大きな会社。そんな状況を見て自分も大きな会社で成果を上げたい、という思いはずっとありました」(副島さん)

成果を残すには、人の2倍の時間と質

朝7時前には出社し、1日の動きをイメージしてから、9時から19時まで営業に周り続ける生活。「人の2倍の時間努力し、2倍の質の仕事をすることで圧倒的に周りに勝ちたい」という信念のもと、新人営業マンの副島さんは働き続けたと言います。

3億円売り上げて1人前、10億円でスーパーセールスと言われる中、その努力も講じて副島さんは年間15億の売り上げを達成しました。自分ができる範囲で一番成果が上げられる方法を考え、こうと決めてとにかく徹底してやってきた結果だといいます。

一番大事なのは、“思い”ですね。絶対やる、と決めること。そしてそれをなにがなんでもやる。それが差になります。周りを巻き込むことも必要です。苦手なことは得意な人に聞いたほうがいいし、お願いすると喜んで協力してくれるんですよ」(副島さん)

▲経験をもとに、「思い」の大切さを話してくれました

文化の違いで学んだリスクマネジメント

トップ営業マンとしてIBMに8年勤めた副島さん。そろそろ別のこともやりたい、と考えていた矢先に先輩から事業の立ち上げに誘われる機会がありました。当時副島さんは29歳。チャレンジすることを決意し、渡英して日系企業を対象としたITソリューション企業の立ち上げに加わります。10か国以上の国籍の人たちと働く中で、苦労することもしばしば。

お客さんは大手企業の駐在員である日本人で、こちらの社員は外国人ばかり。海外でビジネスを行っていると、日本と同じレベルで皆が約束を守るとは限りません。電車が時間通りに来るのも日本くらいなのに、そんな日本の常識をイギリスでもそうだと思っているので、約束を守らなかったら怒られるんです。まずはお客さんの期待値調整が必要でした」(副島さん)

またイギリスで働く中で、リスクマネジメントの大切さを再認識する出来事も体感しました。2005年のロンドン同時多発テロと、バンスフィールド爆発事故です。何が起きるかわからない環境で生活するイギリス人は、臨機応変に対応して逃げ出したようですが、日本人は違いました。「避難するかどうかこれから検討しよう」と言い始めたそうです。

死ぬかもしれない状況でも、日本人は「仕事を投げ出すなんてダメだ」と考えるのかもしれません。逆に言えば、日本人は決まりを守るので、副島さんは「災害時はまず避難する」という決まりを作ることで、緊急時に逃げられるようにしたそうです。

▲多くの学生が参加し、熱心に話を聞いていました

「営業しないこと」が必勝法だと気づいた日本での起業時代

さらにイギリスでの経験を踏まえ、2006年に日本でリスクコンサルティングの会社を立ち上げました。それが現在のニュートン・コンサルティングです。日本の大手企業は、大手企業と仕事をするのが当たり前という中で、社員4人の会社ながら大手に必死に食らいついていった副島さんたち。

順調に売り上げを伸ばしていた矢先、2008年にはリーマンショックの影響で、契約がすべて打ち切られてしまう出来事が起こりました。仕事がなくなり、このままだと倒産するという厳しい状況で、数か月間は日銭を稼ぐ生活だったといいます。それでも「なるようにしかならない、とにかくやるしかない」と一念発起。

ある時訪れたチャンスで、東京都の大きな仕事を取りつけるべく、寝る間も惜しんで企画書作成に没頭しました。数十分間のプレゼン一発勝負、うまくいけば何億もの売り上げ、ダメならこれまでの苦労が水の泡。それでも「絶対負けない、とってやる!」という一心で、ダメだった時のことは全く考えていなかったといいます。

結果は大成功。その後も経産省、内閣府、ほかにも大手企業の案件を次々受託することができるようになりました。大手と契約する営業必勝法は”営業しないこと”だと副島さんは言います。

「私自身の経験から、押しかける営業は決して幸せを生まないと思っています。大事なのは、営業しなくていい状況を作り出すこと。マーケティングを一生懸命していれば、お客さんのほうから来てくれます。業界トップ企業は率先して新しいことをしなくてはいけません。だから、変なことをしている人たちを探してるんです。いかにマーケティングするかが、契約を取る秘訣です」(副島さん)

 

これからの就活生へ副島さんが伝えたい想い

▽何事も強い思いを持って臨むこと
周りに「変わっている」と言われるほど、中小企業の営業がやりたかった副島さん。厳しい環境下で、自分が責任をもって動ける仕事をしたいんだという思いを面接で熱弁したそうです。

自分の中から湧き出るパワーを大事にしてください。ぶれない信念を持って、面接で自分の思いをしっかり伝えれば、思いはきっと伝わりますよ」(副島さん)

副島さんの信念は「なにがなんでもやり通す」という気持ちだと教えていただきました。契約が取れたのは、その強い思いがお客さんに伝わったからだといいます。ニュートン・コンサルティングで大手との契約を多数交わせたのも、どんな競争相手よりも断然強い思いで提案を作り、相手にその熱意が伝わったからだといいます。

▽若いうちに海外に触れること
日本では、電車は時間通りにくるし、お客様への対応は丁寧です。しかしそれこそが異質であり、イギリスで感じた異文化が、むしろ世界での常識のようです。あらゆる面で海外からの影響は大きく、関わらないことは不可能だといいます。海外の人たちとうまくやっていくためにも、早いうちに外の世界に触れておいたほうがいいという副島さんのアドバイスでした。

▽自分に向き合い、信念を貫くこと
これから社会人になるに向けて、自分に向き合う時間が増えていくのではないでしょうか。自分を知ることは、就活ではもちろん、この先働いていく中でも必要になってくると思います。

自分がどうなりたいのか、何をしたいのかを明確にして、その信念を貫いてほしいです。夢を達成するためにどんな行動が必要なのかを考えて、動く。自分を知るためにも、若いうちにいろいろな経験をしておいたほうがいいと思います」(副島さん)

 

「絶対やってやる!」という強い思いで長年営業という仕事に携わってきた副島さんのお話、いかがでしたか。信念を貫き、強い思いで人を動かしてきた副島さんのように、自分の中にあるやりたいことや思いを大事にしてどんどん行動していきたいですね。

 

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